コロナ禍を経てリモートワークが浸透し、働く場所や時間を自分で選べるようになって注目されているのが「ワーケーション」です。しかし、ワーケーションに興味はあっても、実行に至らないケースも多いです。
そこでこの記事では、ワーケーションの基本、メリット・デメリット、実践のコツ、神奈川県でおすすめのワーケーションエリアまでをわかりやすくご紹介します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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ワーケーションとは?

ワーケーションは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた働き方です。
リゾート地や観光地などの普段のオフィスとは異なる場所で仕事をしながら、余暇も楽しむ新しいライフスタイルです。一人社長や個人事業主にとって、生産性の向上と心身のリフレッシュを同時に実現できる理想的な働き方と言えるでしょう。
ワーケーションには、休暇活用型、地域課題解決型、合宿型の3つのスタイルがあり、目的や働き方に応じて選択できます。
その1:休暇活用型ワーケーション
個人の遊休化に前後の業務日を組み合わせるなどで、滞在期間を延長するスタイルです。もっとも取り組みやすく、一人社長や個人事業主に適しています。
その2:地域課題解決型ワーケーション
滞在先の地域企業や自治体と協働し、地域課題の解決に取り組みながら本業も行うスタイルです。新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。
その3:合宿型ワーケーション
チームメンバーや複数の事業者が同じ場所に集まり、集中的にプロジェクトを進めるスタイルです。
ワーケーションが注目されている背景・トレンド

ワーケーションが注目されるようになった背景は、
- コロナ禍による働き方の急激な変化
 - 社会全体の価値観の転換
 
が挙げられます。
コロナ禍で急速に広がったリモートワーク環境
かつては「仕事はオフィスで行うもの」という常識がありましたが、コロナ禍にリモートワークが普及したことによって、場所にとらわれない働き方が定着してきました。
実際、総務省「令和6年 通信利用動向調査」によると、2024年時点でリモートワークを実施している企業は全体の47.3%となっています。コロナが落ち着き始めた2003年の51.9%をピークに微減しているとはいえ、リモートワークを継続する人が一定数いることがうかがえます。
この流れから、「旅先でも仕事ができる」という意識の転換を促し、ワーケーションが選択肢に入るようになりました。
働き方改革とウェルビーイングの追求
政府が推進する「働き方改革」や「ワークライフバランス」の取り組みも、ワーケーションの追い風になっています。
長時間労働の是正だけでなく、心身の健康や創造的な働き方が重視されるようになった結果、ワーケーションが注目されるようになりました。観光庁の調査でも、ワーケーションを体験した人の多くが「生産性向上」や「モチベーションの回復」を実感していると報告されています。
地方創生・地域経済の活性化につながる
最後に抑えておきたいのが、地方創生の観点です。観光庁や地方自治体は、頃中で落ち込んだ観光需要の回復に、ワーケーションによる新たな人の流れを進めています。
ワーケーションによって宿泊、飲食、交通など地域経済活性化につながるほか、関係人口の増加や移住促進といった波及効果も期待されています。
ワーケーションのメリット・デメリット

ワーケーションには、仕事の生産性や創造性が高まるメリットがある一方で、仕事と余暇の境界があいまいになりやすいデメリットもあります。正しく計画をすれば働き方の幅を広げられますが、準備不足のまま実施すると、ストレスやトラブルを招くおそれがあります。
ワーケーションのメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。
ワーケーションのメリット・デメリット
| メリット | デメリット | 
|---|---|
| 新しい環境で気分転換でき、集中力や発想力が高まる リフレッシュ効果でストレスが軽減される 滞在先での出会いや交流から、新しいビジネスにつながる可能性 自分のペースで柔軟なスケジュールが組める  | 通信環境や作業環境が整っていないと、生産性が下がる 孤独感や不安を感じることがある 旅費・滞在費が増え、コストが大きくなる 顧客対応や急な案件に迅速に対応しづらい場合がある  | 
行き先や宿泊先をあらかじめリサーチして決めても、実際に行かないとわからないこともあり、そこでワーケーションに対する感じ方が分かれる場合もあります。何回かワーケーションを試して、あなたに合うスタイルを見つけることをおすすめします。
ワーケーションを実施する際の注意点

ワーケーションは自由度が高い魅力的な働き方ですが、実施にあたっては、環境、管理、経費、メンタルの4つの観点で注意が必要です。
注意点1:通信環境と作業環境を確認する
もっとも重要なのは、安定したインターネット環境と作業スペースの確保です。
宿泊施設やコワーキングスペースを利用して仕事をする場合は、Wi-Fi速度、電源の数、静音性を事前に確認しておきましょう。ノートパソコンやモバイルルーターなどの機材トラブルに備えて、予備を準備しておくことも大切です。
注意点2:仕事と休暇の線引きを明確にする
ワーケーションは「働く」と「休む」を融合したスタイルですが、どちらも中途半端になるリスクがあります。
業務時間と休息時間をスケジュールにきちんと組み込み、休み時間は意識的にデジタルデトックスを行う等、オンとオフの切り替えルールを決めましょう。疲労が溜まると業務に支障をきたしかねないので、休息時間を「仕事の一部」として扱うようにしましょう。
注意点3:経費処理と税務上の区分に注意する
ワーケーションにかかる交通費、宿泊費、食費などは、すべてが経費になるわけではありません。業務目的が明確でない旅費は、プライベート費用として見なされるかもしれません。
すべてを経費にするためには旅費規定を整備し、業務日や会議・打ち合わせ内容などを記録しておくと安心です。法人で実施する場合には、役員報酬や福利厚生費などの処理区分も確認しておきましょう。
注意点4:情報セキュリティを確保する
カフェや宿泊施設などの公共Wi-Fiを使う場合、情報漏えいのリスクがあります。VPNを利用する、パスワードを強化するなどのセキュリティ対策を徹底しましょう。
日々の業務ですでに気をつけていても、環境が変わると気が緩むこともあります。信頼性を守るためにも、外出先でのセキュリティルールを作り運用するのをおすすめします。
注意点5:心身のコンディションを整える
ワーケーションによって環境が変わると、意外と気が張って疲労が溜まりやすくなります。
特に一人社長や個人事業主は自分で配分を決められますし、かならずしも仕事と休暇を半々のバランスにしなければならない、ということもないでしょう。スケジュールを詰め込みすぎず、心身のコンディションを考慮して充実したワーケーションにしたいですね。
ワーケーションを計画する実践的なステップ

ワーケーションを成功させるためには、その目的とゴールを明確にした計画が重要になってきます。
ここでは、私が実際に行った手順を踏まえて、一人社長や個人事業主が無理なく実践できる5つのステップをご紹介します。
まずは、滞在期間を決めましょう。
滞在先で仕事をするとはいえ、対応できる業務が限られたり、予算の上限によっておのずと滞在期間が決まることもあります。
次に、行き先を決めましょう。
滞在期間だけでなく、時間的な制約がある場合はこの点の考慮も必要です。私の場合は、子供のお泊り保育に被せてワーケーションを決めたので、お迎えの時間を考慮して選びました。
続いて、滞在期間中のスケジュールを決めましょう。
タイムテーブルの作成によって、全体像を把握できるようにするのがおすすめです。移動時間やチェックアウトの時間など、旅程上で必要な時間を埋めてみると、実際に仕事と休暇に使える具体的な時間を割り出せます。
宿泊先によっては入浴時間や食事時間が決められているので、こういったこともタイムテーブルに反映しておきましょう。
ワーケーションでは、かかった経費の経費区分に注意が必要です。
経費として認められるのは業務遂行時にかかる費用のみです。確定申告や会計処理に備えて、領収書を必ずもらいましょう。業務遂行時であることを示す資料として、たとえばタイムテーブルに打ち合わせの記録や業務内容をメモしておくことも有効な方法です。
ワーケーション終了後は、効果を振り返る時間を必ず作りましょう。
- 仕事ははかどったのか
 - 仕事と休暇を両立できたか
 - 費用対効果はどうだったのか
 
を記録して、次回の計画の精度が増します。
また、SNSやブログで体験を発信すれば、個人ブランディングや広報効果も期待できます。一人社長やフリーランスの場合、ワーケーションの記録がブログライティングなどの「ポートフォリオ」として活用できる場合もあります。
神奈川県でおすすめのワーケーションエリア

神奈川県内に拠点を置く一人社長や個人事業主にとって、県内でのワーケーションは「ちょっとした贅沢」として気軽に楽しみやすいです。
私がワーケーションを計画したときに候補に挙げたのは、
- 箱根
 - 鎌倉
 - みなとみらい
 
の3ヶ所で、最終的に箱根を選びました。理由は、ちょっとした非日常感を味わいたかったからです。
箱根だけでなく、鎌倉、みなとみらいとそれぞれの良さがあるので紹介していきますね。
その1:箱根・小田原
自然豊かで温泉地もある箱根・小田原エリアは、「リセットと集中」のワーケーション向けエリアと言っても過言ではありません。神奈川県の公式サイトでは、「豊かな自然・都心アクセス良好な地域資源を活かしたワーケーション推進地域」と紹介されています。
調べてみると、箱根湯本駅周辺にはコワーキングスペースや電源カフェもあり、観光だけではないことも確認できました。宿の価格帯にもかなり幅があり、1泊1万円弱の宿も何件かあったので、予算に合わせてプランを立てやすいです。
ただし、観光地ゆえに17:00に閉店するお店が多く、移動時間もそれなりにかかるため、ゆとりのあるスケジューリングが必須です。山間部の宿泊地で宿泊する場合には、ネット環境も確認が必要です。
その2:鎌倉
神奈川県の海沿いエリアでもっともおしゃれなエリアが鎌倉です。ホテルの件数は少なめですが、ゲストハウスやAirbnbが多く、色々な人と交流しつつも仕事も観光も充実させたい人におすすめです。
また、調べたところ、鎌倉駅周辺と江ノ電沿いにコワーキングスペースがあり、ドロップイン利用もできます。箱根・小田原エリアと同様に17:00で閉店するお店が多いので、スケジューリングには注意が必要です。
なお、夏場の鎌倉は観光シーズンで、宿泊価格が上がり、混雑も予想されます。時期を選ぶか、平日泊等での滞在も検討する必要があるかもしれません。
その3:みなとみらい
みなとみらいは、オフィス街だけでなく、観光地として宿泊施設、カフェ、コワーキングスペースが充実しているのが魅力です。環境を変えすぎない「適度な変化」を好む人にはおすすめです。
ただし、ホテルに宿泊しようとすると宿泊費は高めです。リーズナブルなゲストハウスもありますが、週末利用だとホテルの宿泊費とさほど変わらない場合もあります。
また、さまざまな施設が充実しているぶん誘惑も多く、自分を律しつつどこまで作業時間を確保できるのか試されているように感じるかもしれません。
まとめ

ワーケーションは、単に旅先で仕事をするスタイルではなく、働き方と生き方を見直すきっかけになる過ごし方です。日々忙しく過ごしている一人社長や個人事業主にとっては、環境を変えることで発送を広げ、心を整える時間にもなります。
神奈川県内には、横浜、鎌倉、箱根と、ワーケーションに最適なエリアがあります。自分らしい働き方を模索する一環で、ワーケーションを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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