テレワークが広がり、場所にとらわれない働き方としてワーケーションに注目があつまっています。しかし「自分に向いているのか?」「仕事がちゃんと進むのか?」と迷う人も多いです。
そこでこの記事では、ワーケーションに向いている人と向いていない人の特徴、成功のポイントを、細心のワーケーション動向を踏まえてご紹介します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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最新!ワーケーション経験者の動向

コロナ禍以降、ワーケーションは「新しい働き方」として注目されています。しかし、実際に体験しているのは「時間と場所の自由がある働き手」であり、個人事業主や一人社長のように自律的な働き方をしている人たちです。
観光庁やクロス・マーケティングと山梨大学の共同調査などの調査結果によると、ワーケーションの認知率は企業で約66%、個人で約80%に達している一方、実施率は約7~10%程度とされています。しかもその少数派はテレワーク前提のホワイトカラー層、フリーランス、経営者が中心で、そのうえパソコンとネット環境さえあれば仕事が完結する業種と条件があります。
さらにデータを細かく見ると、ワーケーション経験者の傾向が以下のとおり明らかになっています。
ワーケーション経験者の傾向
| 年齢層 | 20~40代中心。特に30代の働き盛りが多い。 |
| 職種・立場 | 個人事業主、管理職、専門職、経営者など「自己完結型」が多い。 |
| 滞在期間 | 2~3泊から1週間程度の短期滞在型が主流。 デジタルノマド層(※)では、数週間~数か月単位の長期滞在も増加。 |
| 同行者 | 約半数が単独実施、約4分の1がパートナーとの2人旅。 家族体動のケースは少数だが、観光庁が家族でのワーケーション施策を実施。 |
※デジタルノマド層:インターネット環境があればどこでも働ける人たちのこと
そのため、現時点でワーケーションを実践しているのは、パソコンやネット環境があれば仕事ができる一人社長、個人事業主、フリーランスの方が実行しやすい環境にあると言えるでしょう。
ワーケーションに向いている人の特徴

ワーケーションは、誰にでも合う働き方ではありません。私もワーケーションを実行して思うのは、仕事のスタイルはもちろんのこと、体力の有無やストレス耐性などの個人の特性によっても向き不向きが分かれるように感じました。
ここでは、私の体験談を交えて、ワーケーションを楽しみながら成果を上げている人の特徴を考えていきます。
特徴1:自己管理能力が高い
時間の使い方、タスクの進め方、休憩やリフレッシュのバランスなど、すべてを自分でコントロールできる人です。
「今日はどこまで仕事を進めるか」「どの時間に観光を組み込むか」をあらかじめスケジュールを立てて実行しつつ、予定外の事態になった場合に臨機応変に対応できるとワーケーションを楽しみやすいです。
特徴2:場所に関係なく集中力が維持できる
いつもと環境が変わっても、変わらずに集中力が続いて、自分のペースで仕事ができる人です。
ワーケーション先の環境によって仕事環境も変わるので、少しの変化でもそわそわしたりペースが乱れやすいと、仕事のパフォーマンスに支障をきたすおそれがあります。いつもと同じとまではいかなくても、パフォーマンスにそんなに誤差のないことが望ましいでしょう。
特徴3:成果物で評価される仕事をしている
オンラインで完結でき、「成果物さえ出せばOK」という仕事をしている人は、ワーケーションとの相性が抜群です。
たとえば、
- Web制作やデザイン
- 事務代行や経理サポート
- 動画編集・ライティング・コンサルティング
が代表的です。その他、従業員に指示を出す経営者や管理職のような役職者も向いているでしょう。
特徴4:体力に自信がある
ワーケーションは、スケジュールの立て方によって仕事もプライベートもハードスケジュールになりやすく、一般的な旅行より体力が消耗しやすくなります。
いわゆる「体力おばけ」で体力の回復が早いなど、よっぽどのことがなければ疲れ知らずくらいがちょうどいいです。仕事をしっかりとしつつ、プライベートでは日頃の疲れを取ろうとすると、逆に疲労がたまってしまうかもしれません。
特徴5:目的意識を持っている
「なんとなくワーケーションをしてみたい」よりも、「新しいアイデアを得たい」「リフレッシュして業務効率を上げたい」と明確な目的を持っている人ほど、充実した時間を過ごしやすいです。
実際、観光庁の調査結果でも、「目的をもって計画したワーケーションは、生産性と満足度が高い」とされています。「休暇のついでとしての仕事」ではなく、「仕事をより良くするための環境づくり」としてとらえることで、充実したワーケーションになるでしょう。
ワーケーションに向いていない人の特徴

一方、ワーケーションは環境の変化によって生産性や精神面に影響を与える場合もあり、誰にとっても快適な働き方になるとは限りません。
ここでは、ワーケーションに「向いていない」または「慎重に検討すべき」人の特徴を整理しましょう。
特徴1:環境の変化に弱い
旅先では普段と違うペースで時間が過ぎます。Wi-Fiの速度、机や椅子の高さ、照明、周囲の音など、小さな違いが積み重なって、集中力を欠いたりストレスになったりすることがあります。
たとえば、近所のカフェやコワーキングスペースで仕事をすることに慣れていても、旅先まで長距離移動した後に仕事をするのでは心身の負荷が変わります。どんなに些細なことでも気になって集中力が途切れやすいと、仕事が思うようにはかどらないリスクになりかねません。
特徴2:対面でのやり取りが多い
取引先との打ち合わせ、現場対応、スタッフ管理など、「その場にいなければ進まない仕事」が中心の場合、ワーケーションは現実的ではないでしょう。
zoom、チャット、メールで代替できない業務がひとつでもあると、現場から離れて仕事をすること自体がリスクになります。一人社長や個人事業主で、自分が顧客対応を担っていると、外出中に緊急連絡が入り休暇どころではなくなるかもしれません。
特徴3:自己管理が苦手
ワーケーション先の誘惑やホテルの快適さに流されてしまうとプライベートの比重が重くなり、仕事どころではなくなるおそれがあります。
楽しいことや興味を持ったことを優先しがちなタイプは、ワーケーションの「プライベート」に時間を割きすぎて、本来の目的をおざなりにしかねません。タイマーを用いるなどをして、ワーケーション中だけでも時間管理に気をつける必要があります。
特徴4:移動や出費へのストレスが強い
ワーケーション中にかかる交通費や宿泊費の出費が「もったいない」「時間を無駄にしている」と感じる人は、そもそもワーケーションを楽しめず、精神的な負担が増えるだけです。
この場合、お金や時間に対して無意識のうちに厳しい目を向けている可能性があり、メンタルブロックが解放されていない状況では、安心して投資していると実感しづらいです。ワーケーション自体を楽しめず、精神的な負担が増えるだけになることもあります。
特徴5:つねにスケジュールでいっぱいになっている
仕事の予定だけでなく、家事・育児に追われていると感じている場合、ワーケーションのスケジュールも「タスク」となりやすく、逆に疲労感をためてしまいかねません。
私自身、ゆとりのあるスケジュールを立てて、無理のないタスク数にしてワーケーションに臨みました。でも、「子供がいないぶん全力で楽しもう」とするあまり方に力が入って、逆にプレッシャーになっていました。心身のリフレッシュもするなら、自宅でマイペースに過ごした方が良かったですね。
ワーケーションを成功させるための準備とコツ

ワーケーションは、自由で柔軟な働き方を実現できる一方、準備を怠ると「仕事が進まない」「ただ疲れただけで終わった」と逆効果になることがあります。費用対効果が見合ってなくて、損失と感じる場合もあり、事前準備は重要と言えるでしょう。
ここでは、ワーケーションを「快適・効率的・安全」に実践するための具体的なポイントをご紹介します。
その1:目的を明確にする
もっとも重要なポイントは「目的の明確さ(何のために行くのか)」です。
目的は、大きく分けて「仕事優先」と「プライベート優先」のいずれかになります。どちらにするか決めることで、滞在先、スケジュール、宿泊日数がおのずと最適化されるのでおすすめです。
その2:仕事環境を最適化する
ワーケーションでもっとも多い失敗は、Wi-Fiの遅さ、電源不足、作業環境です。あらかじめ宿泊先や周辺エリア環境を確認しつつ、ご自身でもツールを用いてトラブルを解消できるようにしておきましょう。
事前に最低限チェックすべき項目は以下のとおりです。
- 宿泊先やコワーキングスペースのWi-Fi実測値
- デスクの広さ、椅子の高さ、照明などの作業環境
- コンセントの位置、数
- スマホの電波状況
その3:軽めまたは集中作業に絞る
旅先では、負担の少ない仕事にすることで、仕事とプライベートが両立しやすいです。
ワーケーションに向いている業務は、
- 企画立案
- 執筆
- アイデア出し
- デザイン制作
- プロジェクト整理
などの集中型や内省型の仕事です。業種や職種によってできる業務に違いはありますが、できるだけ上記に挙げた業務に近い業務に取り組むのがおすすめです。
その4:ゆとりのあるスケジュールを立てる
滞在期間は2泊3日以上にして、ゆとりのあるスケジュールを立てて臨みましょう。
私は都合により1泊2日、2日目は早朝にチェックアウトしなければならず、実質1日でした。そのため、移動、仕事、プライベートを1日のうちに全部済ませなければならず、疲労感につながりました。
この経験での教訓は、移動日ほどゆっくり過ごし、中日を仕事の日として定めることです。移動するだけでも疲れるので、仕事を入れると生産性が著しく落ちるおそれがあります。
その5:近場・短期間からワーケーションを始める
ワーケーションは楽しいイメージがありますが、遠方へ行くほど体力面や体調面に影響が出やすく、仕事どころではなくなるおそれがあります。
そのため、
- 自宅から1~2時間で行ける場所
- 宿泊期間は2泊3日~
- 過去に行ったことのあるエリア
からスタートするのがおすすめです。これだけで難易度が大幅に下がり、ワーケーションへのハードルが一気に小さくなるでしょう。
ワーケーション体験で変わる「働き方の視点」

ワーケーションを経験すると、働き方に対する見方が変わります。これは、単に「旅先で仕事をした」という一時的な体験だけでなく、日常の仕事スタイルを客観的に見て、自分の特性を活かした働き方にシフトしやすくなる効果が期待されます。
ここでは、実際に私がワーケーションを体験して感じた「働き方の変化ポイント」をご紹介します。
その1:集中力の度合いが変わる
普段は自宅で仕事をするのがデフォルトでも、カフェをはじめ外出先で仕事をすると緊張感が変わります。自分ひとりではだらけてしまうことがあっても、外出先では見られているかもしれない緊張感から、集中力が研ぎ澄まされていくように感じます。
カフェとワーケーション先で変わるのは、集中力です。カフェなどの街中より静かな環境になるので、そのぶん作業効率が上がるように感じます。非日常感があって、気分転換になっているのかもしれません。
その2:自分の時間配分のクセがよく見える
ワーケーションはあらかじめスケジュールを立てて仕事に取り組むことが多いとはいえ、自分が重きを置いている時間配分が可視化されやすいです。自分にとって集中できる環境を言語化しやすく、日常に落とし込みやすくなるのも魅力です。
仕事柄、時間効率を考えて取り組んでいることもあり、業務の優先順位を決めやすくなったようにも感じます。時間の使い方のクセがわかると、ワーケーションによってそのクセを矯正し、パフォーマンスを上げるのかを考えやすくなります。
その3:休むことが「仕事の一部」だと自然に理解できる
ワーケーションは、仕事と休息の両方をスケジュールに組み込むので、「仕事のパフォーマンスを上げるために休息を取る」という流れを実感しやすくなります。
一見、当たり前のことでも、
- キリのいいところまで仕事をしたい
- 納期が迫っているから仕事をしないといけない
- 決めたノルマを消化するには休息時間を削る必要がある
といった状況になると、どうしても仕事を優先にして、休息をおざなりにする一人社長や個人事業主は多いです。休息を取って仕事のパフォーマンスが高まることを実感して、仕事のやり方を変えるきっかけになるでしょう。
まとめ

ワーケーションには向き不向きがありますが、ゆとりのある日程とスケジュールで事前準備をして行えば取り入れるハードルは低くなります。一度は実践して、働き方のひとつとして自分に向いているか向いていないかを判断するのをおすすめします。
やり方次第でメリットも感じられます。自分に合う範囲で、ワーケーションを小さく始めてみるのはいかがでしょうか。
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