私たちは多くのタスクや情報に追われがちです。そのなかでたいせつなのは、「やること」「やりたいこと」をするために「やらないこと」を決めることです。やらないことを明確にすることで、時間と心の余裕を守り、本当に大切なことに集中できるでしょう。
そこでこの記事では、やらないことを決めるメリット、リストの作り方、具体例、継続するコツまでを解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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なぜ「やらないこと」を決めるのか?

やらないことを決めるのは、エネルギーを節約して、自分にとって大切なことに時間を使うためです。
私たちは、日々、膨大な選択肢に囲まれています。仕事、家事、人付き合い、情報収集など、すべてこなそうとすると、時間もエネルギーもすでに枯渇してしまいます。だからこそ、「やること」だけでなく「やらないこと」もあらかじめ決めておくことが大切です。
やらないことを決めることのメリットは以下のとおりです。
その1:本当に大切なことに集中できる
まずは、限られた時間やエネルギーを本当に大切なことに集中させられることです。
人の注意力や体力には限界があります。不要なタスクや人間関係に時間を奪われると、本当に成果を出したい活動に力を注ぎづらくなったり、本来の力を発揮できなくなったりします。やらないことをあらかじめ決めておけば、優先度の低いものに振り回されず、自分軸を保ちながら行動できるようになります。
やらないことを決めることは単なるタスク削減ではなく、自分にとって本当に意味のある行動を取るための戦略です。すべてのタスクをやりきろうとするよりも、やめることで選択と集中を研ぎ澄ませ、成果を生み出す一歩となります。
その2:判断疲れから解放される
やらないことを決めておくと、日常の小さな判断に悩む回数が減り、判断疲れから解放されます。
人は、1日に数千回もの意思決定を行うと言われています。ひとつひとつは些細なことでも、積み重なると脳のエネルギーを消耗し、集中力が低下します。あらかじめ、やらないと決めた行動があれば、その場で迷う必要がなくなり、大切な意思決定にエネルギーを残せるでしょう。
やらないことを事前に決めることで、余計な選択を減らし、判断疲れから自分の身を守れます。迷う時間が減って毎日の行動がシンプルになる効果も期待できるでしょう。
その3:ストレスを軽減できる
やらないことを決めると不要な負担が減り、ストレスを軽減できます。
ストレスの多くは、自分がやらなくてもいいことに時間や気力を奪われることで生じます。頼まれごとを断れなかったり、完璧にこなそうとしたりして、無意識のうちに心身にプレッシャーをかけてしまうのです。
そのため、やらないことを決めると、このようなプレッシャーから解放され、自分にとって心地よい生活リズムを作ることにつなげられます。結果としてストレスを減らし、より健やかに日々を過ごせるようになります。
その4:自分軸が明確になる
やらないことを決めることは、自分の価値観や優先順位をハッキリさせ、自分軸を明確にすることにつながります。
やらないことを選ぶことは、言い換えると「やりたいこと・やるべきことを選び抜くこと」でもあります。外部の期待や常識に流されず、自分にとって本当に必要なことを基準に決めることで、行動や判断に一貫性が生まれ、自分軸を形成・強化する効果が期待されます。
この過程は、自分を見失わずに人生を歩むための羅針盤にもなります。軸が定まることで迷いが減り、自分らしい選択を積み重ねられるでしょう。
その5:長期的な成長につながる
最後に、目先の効率化だけでなく、長期的な成長を実現するための基盤づくりになります。
人の時間やエネルギーは無限ではありません。不要なことに消耗していると、学びや挑戦といった未来への投資にリソースを回せなくなります。やらないことを決めることで余白が生まれ、その余白が新しい経験やスキル獲得の機会につながるでしょう。
やらないことを決めることは、自分にとって不要なものを手放し、未来の可能性に投資する行為です。その選択によって将来の姿が変わるでしょう。
やらないことの基準とは?

やらないことを決める決定打になるのは、あなたならではの「基準」です。この基準は、「やること」「やらないこと」を判断する軸となり、悩んだとしてもすぐに判断できるよう後押ししてくれます。
ここでは、時間、エネルギー、価値観、代替可能性といった視点から、やらないことを見極めるための基準を整理していきます。
基準1:時間を奪うこと
まず、もっともわかりやすい基準のひとつが「時間を奪うこと」です。成果や満足感がつながらないのに、ただ時間だけを消費する行為は優先的に削りましょう。
当たり前ですが、時間は有限であり、一度失ったら取り戻せません。忙しさの原因をたどると、本当に必要ではない活動や、他人に合わせるだけの習慣が多く含まれています。それらを続けることで、自分が本当にやりたいことや大切にしたいことへ使える時間が減ってしまいます。
基準2:エネルギーを消耗すること
次に、「エネルギーを大きく消耗すること」です。精神的・肉体的に負担が大きい行為は、成果に対して消耗が釣り合わないことが多いため、積極的に手放すべきです。
エネルギーは時間と同じく有限であり、心身が疲弊すれば集中力も判断力も低下します。メンタルヘルスに悪影響を与える可能性もあるので、仕事と生活の両方に影響を及ぼし、全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。
基準3:価値観や目標に合わないこと
「自分の価値観や目標に合わないこと」を基準にすることも効果的です。自分の軸はこれまで培ってきた価値観に基づきます。これに沿わない行動は、どれだけがんばっても満足感を得づらく、続けるほど辛くなっていくことが多いです。
価値観や目標は、自分が大切にしたい人生の方向性を示す羅針盤のようなものです。それに反する行動を続けると、時間や労力を費やしても違和感やストレスが残り、自己肯定感の低下にもつながります。
基準4:他人に任せられること
最後に、「他人に任せられること」です。自分でやらなくても成果が変わらない業務や作業は、外注への分担を検討することで大きな効果が得られるでしょう。
自分が取り組むべきは、自分にしか出来ないことや価値を最大化できることです。誰でもできる作業に時間を奪われると、成長や収益につながる活動に注力できなくなります。
やらないことリストの作り方

やらないことリストは、
- 現状の行動を書き出す
- 優先度や価値で仕分ける
- やらないことを明確に決める
- 日常に落とし込んで実践する
- 定期的に見直す
の5つの手順で進めるのが基本です。具体的に見ていきましょう。
手順1:現状の行動を書き出す
まずは、自分が普段どんな行動をしているかをすべて書き出しましょう。
頭の中だけで考えていると、無意識にやっている行動や、本当は不要な習慣を見落としてしまいます。紙やメモアプリに具体的に書き出すことで、自分の行動パターンが客観的に見えるようになり、整理がしやすくなります。
現状を書き出すことは、自分の生活や仕事のクセを可視化し、やらないことリストの土台を作る作業です。ここでていねいに洗い出すほど、その後の取捨選択がスムーズになります。
手順2:優先度や価値で仕分ける
書き出した行動を「優先度」や「勝ち」に基づいて仕訳、やらないことリストに入れる候補を明確にします。
すべての行動には、同じ価値があるとは限りません。成果につながる行動もありますが、時間や労力だけを奪う行動もあります。それを重要度と緊急度のマトリックスを作成して分類すると、注力することと手放すことが可視化されます。
このマトリックス上で手放すことは、重要度も緊急度も低いことです。たとえば仕事であれば、新規顧客への提案は重要度も緊急度も高く、惰性で参加している会議は重要度も緊急度も低いかもしれません。ご自身の職種や業務(ミッション)を考慮して判断していきましょう。
手順3:やらないことを明確に決める
仕分けを終えてやらないことを明確に決めることで、やらないことリストを機能させることにつながります。
やらないと決めても、あいまいなままでは状況に流されて同じ行動を繰り返してしまいます。「やらない」と明確に線引きすることで、判断の迷いをなくし、行動に一貫性を持たせることができます。
やらないことを明確にできない場合は、試しに1週間やめてみて、実際にやめるかを見極めてみるのはいかがでしょうか。できるだけ明文化して行動に落とし込むことで、やらないことリストを現実の行動に反映していきましょう。
手順4:日常に落とし込んで実践する
やらないことリストを作るだけでは意味がありません。日常に落とし込み、実際の行動に反映させることで初めて効果を発揮します。
人は習慣に流れやすく、決めたことも元の習慣に戻ってしまいがちです。そのため、やらないと決めたことを守れる環境や仕組みを整えることで、医師の力に頼らず自然に継続できます。
たとえば、「SNSを見すぎない」と決めたら、通知をオフにしたり、アプリをスマホの目立たない場所に移動することが検討されるでしょう。「週末は仕事のメールを開かない」と決めた場合は、パソコンをオフにする時間を決めて家族に共有するなど、環境を整えることで実践しやすくなるかもしれません。
手順5:定期的に見直す
最後に、やらないことリストを定期的に見直すことで、つねに自分の状況に合った形にアップデートし続けることが大切です。
仕事も生活も、環境は変化します。ライフステージ、仕事内容、人間関係が変われば、事前「やらない」と決めたことが必要になるかもしれませんし、逆に新たに手放すことも出てくるでしょう。柔軟な対応ができるようにするためにも、自分の変化を知ることが大切です。
おすすめは、月に一度や四半期に一度など、振り返りのタイミングを決めておくことです。リストをアップデートすることで、つねに自分にとって無理のない生活を維持できるでしょう。
やらないことリストの具体例

やらないことリストを作るときは、抽象的な表現よりも、具体的な行動に落とし込むことが大切です。以下は、分野ごとの具体例です。
おすすめ度:★★★★★
おすすめ度:★★★★☆
おすすめ度:★★★☆☆
おすすめ度:★★☆☆☆
おすすめ度:★☆☆☆☆
これらはあくまで一例なので、自分の価値観や目標に照らし合わせて取捨選択することで、リストがより実用的になり、日常に取り入れやすくなるでしょう。
やらないことを継続するコツ

やらないことを継続するには、意思に頼らず、仕組みや環境を整えることがポイントです。
人は習慣に流されやすく、はじめのうちは「やらない」と決めても、元の習慣に戻ってしまう傾向があります。だからこそ、無理なく続けられる環境やルールを作ることで、自然に行動を変えられるようにする必要があります。
たとえば、
- SNSを見すぎないと決めたら、通知をオフにする
- 残業をしないと決めたら、終業時刻にアラームを設定する
- 家族や同僚に「やらないこと」を共有する
などの方法が考えられるでしょう。小さな工夫を積み重ねることで、無理なくやらないことを習慣化させていきましょう。
まとめ

やらないことを決めることは、効率化だけでなく、自分の時間と心の余裕を取り戻す大切な習慣です。行動を書き出し、優先度を仕分け、やらないことを明確に決める。そして、日常に落とし込み、定期的に見直せば、無理なく続けられるでしょう。
今日からでも、小さな一歩としてやらないことをひとつだけ決めてるのはいかがですか?その選択が、未来の自分をより自由に、より充実した未来へ導いてくれるはずです。
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