旅費規程を作ろうと調べていると、「株主総会議事録も必要なのでは?」と気づく方もいらっしゃいます。そうなると、イチ規程に対して、どこまで書類を整えればいいのか悩むこともあります。
そこでこの記事では、旅費規程と株主総会議事録の関係を整理したうえで、セットで整える手順、議事録に書くべき最低限の内容をわかりやすく解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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旅費規程と株主総会議事録との関係とは?

旅費規程と株主総会議事録は、会社として旅費の支給のルールを正式に決めたことを示すために、セットで考える必要があります。
旅費規程は、出張時の交通費、宿泊費、日当などの支給基準を定める社内ルールですが、税務上は「そのルールが会社の意思として適切に決定されているか」が重視されます。株主総会議事録を作成しておくことで、会社として承認した規程であることを客観的に示せます。
そのため、旅費規程と株主総会議事録は別物でありながら、セットで整えておくことで、税務上も実務上も説明しやすくなる関係にあると言えるでしょう。旅費規程を作りっぱなしで施行日から運用するのではなく、株主総会議事録も作成するのが無難です。
旅費規程と株主総会議事録をセットで整える手順

旅費規程も株主総会議事録は、同時に作り込む必要はあります。「規程を作る→承認する→記録として残す」という流れを意識すれば、無理なく整えられるでしょう。
まずは、旅費規程そのものの作成です。出張時に支給する交通費、宿泊費、日当などについて、どのような条件で、いくらまで支給するのかを明確に定めます。
この段階では、完璧に仕上げる必要はありません。実際の出張内容や会社の規模に合った、無理のないルールになっているのかを重視しましょう。
旅費規程を作成したら、その内容を会社として正式に採用する手続きに進みます。通常は、株主総会で「旅費規定を制定すること」を決議・承認を得て、はじめて旅費規程が社内で認められるようになります。
株主内容での決議内容を、株主総会議事録として書面に残します。議事録には、旅費規程の全文を記載する必要はなく、「旅費規程を制定(または改定)することを決議した」という点が分かれば十分です。
あわせて、決議日や適用開始日を明記しておくと、後から見返した際にも分かりやすくなるでしょう。
作成した旅費規程と株主総会の議事録は、必ずセットで保管しておきましょう。実際に旅費を生産する際は、旅費規程に基づいて処理する必要があります。
税務調査などで確認を求められた場合でも、「旅費規程」と「それを承認した株主総会議事録」をあわせて提示できれば、説明がスムーズでしょう。
旅費の支給ルールを変更した場合でも、基本的な流れは同じです。旅費規程を修正、株主総会で承認、議事録を作成するという手順を踏みます。
ルール変更のたびにこの流れを意識しておくことで、旅費規程を長期的に安心して運用できるでしょう。
株主総会議事録に書くべき内容

株主総会議事録には、その内容を細かく書きすぎる必要はありませんが、最低限押さえるべき項目があります。
特に、旅費規程について議事録として記録する際には、会社とした正式に認めた事項だと一目でわかる文書に仕上げる必要があります。
その1:株主総会の開催日時・場所
まずは、株主総会を開催した日時と場所を記載します。オンライン開催や、みなし決議の場合でも、決議が行われた日付はかならず明記しましょう。
その2:出席株主・議長の情報
次に、出席した株主や議長について記載しましょう。一人社長で、株主も議長も自分という場合には、株主本人が出席し、議長を務めたという形で問題ありません。
株主総会に挙げられた議題に対し、誰が意思決定を行ったのかがわかることがポイントです。
その3:議題(旅費規程の制定・改定)
議事録には、株主総会で扱った議題を明確に記載します。旅費規程の場合は、「旅費規程の制定について」や「旅費規程改定の件」といった表現で十分です。
旅費規程の内容を詳細に書く必要はありません。何について話し合い、決議したのかがわかれば十分です。
その4:決議内容と承認の事実
議題に対して、どのような決議がなされたのかを記載します。「原案どおり承認可決された」といった簡潔な表現で問題ありません。
この部分が、旅費規程が会社として正式に承認されたという証拠になります。
その5:適用開始日や補足事項
旅費規程をいつから適用するのかが決まっている場合は、記載しておくと安心です。適用開始日が明確になっていると、過去分との区別がしやすくなるのでおすすめです。
その6:議事録の作成日および署名(または記名)
最後に、議事録の作成日と、署名または記名を記載します。一人社長の場合でも、形式として署名欄を設けておくことで、書類としての整合性も高まるでしょう。
旅費規程と株主総会議事録でよくある質問

- 旅費規程を作ると、株主総会議事録はかならず必要なのですか?
-
法律上の必要書類ではありませんが、用意しておく方が安心でしょう。
旅費規程は社内ルールですが、株主総会議事録があることで、会社として正式に決めた規程であることを示せます。特に、一人社長の場合は、意思決定の証拠を残す意味でも、旅費規程と株主総会議事録をセットで整えておくのが無難です。
- 一人社長で株主も自分だけですが、株主総会は必要ですか?
-
はい、形式上は必要です。
ただし、実務では、「みなし決議」という形で実際に集まって総会を開かなくても対応できます。重要なのは、「会社として決議した」という事実を、株主総会議事録として残しておくことです。
- あとから株主総会議事録を作成しても問題ありませんか?
-
原則として、決議と同じ日付、または近い日付で作成するのが望ましいです。
数ヶ月、数年レベルで遅れて作成すると、客観性が乏しく形式な書類と見られる可能性があります。旅費規程を作成したタイミングで、あわせて議事録も整えるようにしましょう。
- 株主総会議事録は、紙で保存しないとダメですか?
-
かならず紙である必要はありません。
電子データで保存しても問題ありませんが、改ざんされていないことや、いつ作成されたかがわかる状態で保管することが大切です。旅費規程とセットで、すぐに提示できる状態にしておきましょう。
- 税務調査では、旅費規程と議事録のどこを見られますか?
-
主に見られるのは、
- 旅費規程が実態に合っているか
- 規定どおりに支給・精算されているか
- その規程が会社として承認されているか
という点です。株主総会議事録は、「承認されているか」を説明する補足資料として役立つでしょう。
まとめ

旅費規程と株主総会議事録は、別々の書類ですが、会社として旅費のルールを正式に決めたことを示すためには、セットで考えておきたいものです。旅費規程で支給基準を明確にし、その内容を株主総会で承認した事実を議事録として残しておくことで、税務上も実務上も説明しやすくなります。
必要以上に構える必要はありませんが、「ルールを作る」「決めた証拠を残す」という基本を押さえることで、旅費規程を安心して運用できるようになるでしょう。
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