「旅費規程は節税になる」と聞き、気になって調べている一人社長も多いのでしょうか。しかし、本当に使えるのかと、不安になるケースも少なくありません。
そこでこの記事では、旅費規程が節につながる理由、期待できる効果、認められる条件、注意点をわかりやすく解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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旅費規程が「節税になる」と言われる理由

旅費規程が節税につながると言われているのは、出張にかかる費用を「給与」ではなく「経費」として処理できるためです。
たとえば、役員報酬として支給する場合、一般的な会社員と同じように受け取る際に所得税、住民税、社会保険料がかかります。一方、旅費規程に基づいて支給される日当は、業務に必要な支出として「法人の経費」になり、原則として受け取る側の課税対象にはなりません。
そのため、同じ金額を支払ったとしても、役員報酬として受け取るより、旅費として精算した方が、結果的に税負担が軽くなるケースがあります。よって、「旅費規程は節税になる」と言われることが多いです。
旅費規程で期待できる節税効果

旅費規程の適切な運用で期待できる節税効果は、税金や社会保険料の負担を間接的に抑えられることです。
効果1:税金・社会保険料の負担を抑えられる
まずは、出張にかかる費用を給与ではなく、経費として処理できることです。
役員報酬として支給した場合、所得税、住民税、社会保険料が発生します。一方、旅費規程に基づく交通費、宿泊費、日当は、「業務上で必要な支出」として扱われ、原則として課税対象になりません。
効果2:日々の出張に通じて効果が積み重ねる
次に、一度きりではなく、継続的に得られることです。出張や業務での移動が発生するたびに規程に沿って処理できるため、日常業務の中で自然と効果が積み重なっていきます。
役員報酬のように頻繁な見直しが難しい項目と比べ、運用しやすい点も実務上のメリットと言えるでしょう。
効果3:無理のない運用が効果的な節税につながる
旅費規程で期待できる節税効果は、金額の大きさではなく「運用の安定性」によって左右されます。
高すぎる日当や実体のない出張を計上すると、経費として認められないリスクが高まります。しかし、業務に見合った設定と実態に即した運用を行うことで、結果として税負担を抑えられるでしょう。
旅費規程は、節税の為だけに作る制度ではありません。出張費用の扱いを明確にし、経費処理を整理するためのルールです。その仕組みを正しく使った結果として、税負担が押さえられると考えると、実務に取り入れやすい制度と言えるでしょう。
節税目的でも旅費規程が認められる条件

旅費規程は、結果として節税につながる制度ですが、節税を意識して作ったからといって、ただちに否認されるわけではありません。重要なのは、税務上で、合理的なルールとして説明できるかどうかです。
ここでは、節税目的であっても、旅費規程が認められやすい条件を整理します。
条件1:あらかじめ旅費規程が整理されていること
旅費規程は、出張が発生してから後付けで作るものではなく、事前に社内ルールとして整備されていることが前提です。あらかじめ規定が存在し、その内容に沿って処理されていれば、恣意的な経費計上と見なされにくくなります。
特に、一人社長の場合でも、「会社としてのルール」が文書で明確になっていることが重要なポイントです。
条件2:出張の実態と業務内容が結びついている
旅費規程が認められるためには、実際に業務上の出張が行われていることが欠かせません。取引先との打ち合わせ、現地作業、研修やセミナーへの参加など、業務との関連性が説明できる出張である必要があります。
移動記録、スケジュール、業務内容のメモが残っていれば、実態の裏付けとして有効です。
条件3:社会通念上、金額が妥当な範囲である
旅費規程で定める日当や宿泊費は、社会通念上、常識的な金額であることが求められます。極端に高額な日当や、実態とかけ離れた金額設定は、節税目的が強すぎると判断される原因になります。
相場を意識し、継続して使っても不自然にならない水準にしておくことが大切です。
条件4:継続的かつ一貫した運用がされている
旅費規程は、特定の月や特定のタイミングだけで使うわけではなく、継続的に一貫した運用がされていなければなりません。たとえば、「利益が出た年だけを日当を計上する」といった使い方は、意図的な節税と見なされやすくなります。
毎回同じ基準で処理されているかどうかが、税務上の評価を左右します。
条件5:他の経費処理と整合性が取れていること
旅費規程による経費が、他の経費や役員報酬の設計と矛盾していないことも重要でしょう。
たとえば、出張が多いはずなのに、交通費の記録がほとんどない場合や、役員報酬とのバランスが不自然な場合は、説明が難しくなるかもしれません。全体的に、無理のない経費構造になっているかどうかが、判断材料になります。
条件6:節税は「副次的な効果」と説明できる
旅費規程が認められる最大のポイントは、節税が目的ではなく、業務で必要な費用を整理した結果であると説明できることです。出張費用を明確にし、経費処理を適正に行うための精度であると説明できれば、節税目的でも否認されにくくなります。
旅費規程を使った節税での注意点

旅費規程は、使い方を誤ると否認リスクが高まります。
ここでは、一人社長や個人事業主が特に注意しておきたいポイントを整理します。
その1:出張実態がない経費計上は避ける
まずは、出張の実態がないにもかかわらず経費を計上してしまうことです。移動や業務が実際に発生していなければ、どれだけ規定が整っていても経費として認められません。
出張の目的、訪問先、業務内容が客観的に証明できるよう、スケジュールやメモを残しておきたいですね。
その2:日当や宿泊費を高く設定しすぎない
日当や宿泊費を相場より高く設定すると、税務上で問題になりやすいです。社会通念上、金額が妥当な範囲に収まっているかは、必ず見られるポイントです。
「一人社長だから自由に決められる」戸考えず、継続して使っても不自然にならない水準を意識しましょう。
その3:利益調整のために使わない
黒字の年だけ日当を計上したり、利益が出たタイミングで集中的に出張扱いにしたりすると、利益調整のために制度を利用していると判断されやすいです。
旅費規程は、業務での出張が発生した都度、継続的に使うことが求められます。使い方にムラがあると、節税目的が前面に出てしまいます。
その4:後付け・過去分への適応は慎重に考える
旅費規程を作成したあとに、過去の出張分をさかのぼって経費計上することは、原則として認められにくいです。特に、規程が存在しなかった期間の出張については、説明が難しくなります。
旅費規程は、「施行日から先」に向けたルールとして運用するのが基本です。
その5:役員報酬や他の経費とのバランスを見る
旅費規程による支給額が、役員報酬や他の経費と比べて不自然に多い場合、全体の整合性を疑われるかもしれません。会社全体の経費構造として、無理がないかを意識することが重要です。
旅費規程単体で半句、経費全体の中で自然に見えるかどうかが判断材料になるでしょう。
その6:節税を前面に出しすぎない
旅費規程は、あくまで業務で必要な出張費用を整理するための精度です。「節税になるから」という理由だけで使うと、運用が歪みやすくなります。
節税は結果としてついてくるものととらえ、ルールとしての合理性を優先することが、長期的に見て安全な運用につながるでしょう。
まとめ

旅費規程は、出張にかかる費用を経費として処理できるため、結果的に節税につながる制度です。一方で、事前の規程整備や出張の実態、金額の妥当性が欠けると、経費として認められないリスクもあります。
旅費規程は、節税目的だけで使うものではなく、業務上のルールとして無理なく運用することが重要です。
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