コロナ禍をきっかけに、場所にとらわれない働き方として「ワーケーション」が広まり、観光庁や地方自治体も積極的に推進しています。一方で、実際に体験してみたいと思いつつも、「移動費や宿泊費を考えるともったいない」と感じて踏み出せない方も少なくありません。
そこでこの記事では、なぜ「ワーケーションはもったいない」と思われがちなのかを整理し、その不安を解消してコスト以上の価値を生み出すワーケーションの実践法をわかりやすく解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
時間に追われすぎない穏やかな生活を送りたくて、会社員生活を卒業→起業。オンライン事務代行として活動中。節約と時短をこよなく愛しています。息子と2人暮らしのシングルマザー。
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なぜ「ワーケーションはもったいない」と感じるのか?

「ワーケーションはもったいない」と感じる人の多くが、費用、時間、効率の3点に集約されます。
具体的には以下のとおりです。
その1:費用の「もったいない」
もっとも多くの人が感じやすい「もったいなさ」は、やはりお金に関するものです。つまり、「費用に対して得られる価値が本当に見合っているのか?」という視点です。
普段の職場や自宅での勤務なら、ほとんど費用はかかりません。かかっても最小限で済みます。一方、ワーケーションでは交通費・宿泊費に加え、滞在中の食事代や雑費など、どうしても出費が増えます。
もちろん、近場を選んだり短期間にしたり、宿泊施設を工夫することでコストを抑えることは可能です。それでも「同じ仕事をするのに、わざわざお金をかける意味があるのだろうか」と感じるのは自然かもしれません。
その2:時間の「もったいない」
次にあげられるのが「時間の使い方」です。ワーケーションは、その名のとおり仕事と休暇を両立させるものですが、このバランスを取るのは意外と難しいものです。
たとえば、仕事とリフレッシュの時間をあらかじめ計画していたのに、オンライン会議が長引いて予定が崩れてしまった、そんな経験をする人も少なくありません。想定していた過ごし方ができないと、「思っていたのと違う」と感じ、ワーケーションへの満足度が下がってしまいます。
また、「せっかく観光地に来たのだから観光しなければ損」と考えるあまり、仕事に集中できなかったり、逆に仕事を優先してリフレッシュの時間を削ってしまうこともあります。その結果、仕事も休暇も中途半端になり、かえって疲労感が残るかもしれません。
その3:効率の「もったいない」
宿泊先に選んだホテルや旅館が、かならず仕事に適した環境とはかぎりません。
立地によっては通信環境が不安定で、オンライン会議中に画面が固まったり、データのアップロードに時間がかかることもあります。さらに、観光地の宿泊施設では作業向けのデスクや椅子が用意されていない場合も多く、ローテーブルやローソファーで無理な姿勢のまま作業を続けて、身体を痛めてしまうこともあります。
「ワーケーションはもったいない」と考える人の特徴

「ワーケーションはもったいない」と感じてしまう大きな原因は、そもそもの目的が明確になっていないことにあります。
たとえば、「流行っているから一度やってみたい」「環境を変えれば気分転換になりそう」といった漠然とした動機だけで始めてしまうと、ワーケーションを「旅行の延長」のように捉えてしまいがちです。その結果、費用や時間、仕事の効率を振り返ったときに「思ったほど得るものがなかった」「やっぱりやめておけばよかった」と感じやすくなってしまいます。
その他にも、
- 観光地でぼっちなのは精神的ダメージがある
- 一人で遠出することに慣れてなくて漠然とした不安がある
- もったいない意識が強くなりすぎて、お金を使うのに罪悪感がある
など、マインドブロックが原因でワーケーションをためらうケースもあります。一人社長や個人事業主になるといっそう「コスト」に対する意識が厳しくなり、無意識に心のブレーキをかけているのかもしれません。
ワーケーションを価値ある体験に変える計画術

ワーケーションの価値は、単に「仕事の効率」や「観光の時間」だけではありません。お金と時間をかけて行うからこそ、後悔しないためにその価値を最大化させるための「計画」が大事になります。
その1:仕事と休暇の優先順位を決める
まずは、ワーケーションの主軸を「仕事」と「休暇」のどちらに置くのかを明確にしましょう。
仕事をメインにする場合は、仕事に集中できる環境を最優先に選ぶことが大切です。宿泊先は、デスクやWi-Fi環境などが整った施設に絞り、休暇要素は仕事の合間の散歩や食事、温泉などに限定すると良いでしょう。
一方で、休暇をメインにする場合は、仕事は最低限のメール返信や緊急対応にとどめ、それ以外は帰宅後に回すのがおすすめです。リラックスが目的となるため、普段の時間の流れをゆるめて、心身を休められる宿泊先を選ぶと充実した時間を過ごせます。
その2:宿泊先候補の仕事環境をリサーチする
ワーケーションを計画する際は、宿泊先が仕事に適した環境かどうかをしっかり確認しておきましょう。
ホテルのWi-Fiを利用する場合は、通信速度だけでなくセキュリティ対策が十分かを確認することが大切です。また、個人のモバイルルーターを使う場合でも、事前に電波状況をチェックしておくと安心です。
さらに、作業しやすいデスクや椅子が備わっているか、コワーキングスペースが併設されているかなども重要なポイントです。宿泊先でなくても近隣に仕事ができる場所を何ヶ所か押さえておきたいですね。
その3:あえて観光しないぜいたくを知る
「お金をかけたなら元を取らなければ」と考えがちですが、ワーケーションの醍醐味は「何もしない時間」にあります。
たとえば、
- 仕事の合間に、ただ美しい景色を眺めながらコーヒーを飲む
- 温泉に浸かって頭の中を空っぽにする
- 行き先の地元のカフェでゆっくりと読書する
など、日常では得られない時間の使い方をすることが最高のリフレッシュとなり、結果的に仕事の質も高めてくれます。
その4:コストを抑える工夫
費用面のもったいなさは、補助金・助成金、長期滞在割引を活用して軽減することができます。
自治体によっては、ワーケーションの誘致を目的に、交通費や宿泊費の一部を補助する制度を設けている場合があります。「ワーケーション 補助金」などで検索してみましょう。
2025年11月時点では、
- 北海道富良野市「ワーケーション展開費用助成金」
- 静岡県富士市「宿泊業緊急対策研修型ワーケーション補助金」
- 東京しごと財団(東京都)「ワーケーション勤務導入奨励金」
が募集中でした。予算の上限に達して終了していたり、対象者が限定されていたりしますが、タイミングが合えば応募してみてはいかがでしょうか。
ワーケーションがおすすめの人・おすすめできない人

最後に、ワーケーションで価値を得やすいタイプか、それとも「もったいない」と感じやすいタイプかチェックしてみましょう。ご自身のタイプを把握したうえで、実行に移すかどうかを判断するのも選択肢のひとつです。
ワーケーションがおすすめの人・おすすめできない人
| おすすめの人 | おすすめできない人 |
|---|---|
| 環境が変わるとアイデアが浮かぶ 自己管理が得意 体験に価値を見出せる | 完璧な環境でないと集中できない オンとオフをキッチリ分けたい 完璧主義 |
もし「おすすめできない人」に当てはまっても、諦める必要はありません。まずは休暇メインで仕事量を極限まで減らすなど、ハードルを下げて試すなどで自分に合ったスタイルを見つけるのはいかがでしょうか。
まとめ

ワーケーションがもったいないかどうかは、その人の価値観だけでなく、目標設定と計画によっても決まります。
もったいないと感じやすい3つの要素(費用・時間・効率)を事前に把握し、それらをクリアできる場所やプランを選ぶことで、ワーケーションは日常の業務では決して得られない、コスト以上の「価値ある体験」になるでしょう。1泊2日などの短い期間から初めてみてはいかがでしょうか。
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