過去に作成したWordPressで作ったサイトの扱いに悩んでいませんか?日常の業務に集中するあまり、先延ばしにされやすい作業でもあります。
そこでこの記事では、サイトを削除すべきかを客観的に見極める「5つの判断基準」、データを残したい場合の便利な代替案、ビジネスの信用を傷つけないための安全な閉鎖手順までをわかりやすくまとめます。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
事務歴15年以上。2021年に独立、幅広い業種の一人社長や個人事業主のサポートをしています。「仕事のていねいさ」「相談しやすさ」に定評。
限られた時間の中で最大の成果を出す「効率化」を重視し、お客様が本来の業務に集中できるよう、心強いパートナーとして伴走します。
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使っていないサイトを削除すべき理由

一人社長や個人事業主にとって、自分で立ち上げたWebサイトやブログには強い愛着があるでしょう。しかし、使っていないサイトの放置には、想像以上に大きなリスクとデメリットが潜んでいます。
使っていないサイトを早いうちに削除すべき理由には、以下の3点が挙げられます。
理由1:セキュリティリスク
WordPressは世界中で利用されているため、つねにサイバー攻撃の標的にされています。
サイトを放置すると、当然、Wordpress本体やプラグインのアップデートも止まります。これは、「家に鍵をかけず、窓も開けっぱなしにして留守にしている状態」と同じで、ハッキングや不正アクセスの被害に遭うリスクがあります。
たとえば、
- サイトを勝手に改ざんされ、詐欺サイトへリダイレクト(自動転送)される
- あなたのサイトが踏み台にされ、他者へのウイルス拡散やスパムメールの大量送信に悪用される
といったことに利用されてしまうかもしれません。他者に迷惑をかける加害者になってしまえば、これまで築き上げてきたビジネスでの信用は一瞬で失ってしまいます。
理由2:古い情報による機会損失・トラブル
サイトに掲載されている情報が更新されないまま残っていると、それを見つけた見込み客が「現在の正しい情報」だと誤認してしまうリスクがあります。
- 古い価格で申し込まれてしまい、お断りする対応に時間を取られた
- 数年前に作ったサイトを見られ、現在のターゲット層とミスマッチが起きた
というトラブルは、一人ですべての業務を回している場合は、手痛いタイムロスとストレスになるでしょう。
理由3:ムダな経費と脳内メモリの消費
毎月数千円とはいえ、使っていないサイトの為に、ドメイン代やレンタルサーバー代を払い続けるのは、純粋な経費の無駄遣いです。
さらに見落としがちなのが、精神的なコスト(脳内メモリの消費)です。ことあるごとに「そろそろ何とかしなきゃな」と、頭の片隅に未完了のタスクが残ることで、頭の中の余白が削られてしまうのです。
リソースが限られているからこそ、本業へ集中できる仕組みが重要です。価値を生まない保有資産のために、大切なお金と脳のエネルギーを奪われ続けるのは、ビジネス全体にとって大きな機会損失になるでしょう。
WordPressで作ったサイトを削除するか迷ったときの判断基準

好かってないサイトを放置するリスクは理解できても、「本当に消しても後悔しないか」と決断に悩むケースもあるでしょう。
そこで、感情論ではなく、ビジネスの合理的な判断として整理するために、以下の5つの客観的な判断基準でチェックしてみましょう。
基準1:アクセス数(PV)や問い合わせがあるか
まずは、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのアクセス解析、あるいはWordPressのプラグインを確認し、過去3ヶ月のデータをチェックしてみましょう。
| 削除していい状態 | 残すべき状態 |
|---|---|
| 月間のアクセス数(PV)がほぼゼロ 海外のスパムからしかアクセスが来ていない そのサイト経由の問い合わせや売上が直近で発生している | 特定の過去記事が検索上位にある 未だに毎月一定のアクセスがある そのサイトから現在のメインビジネスへお客様が流れ込んでいる |
基準2:今のビジネスモデルやコンセプトと合っているか
一人社長や個人事業主のビジネスは、市場の変化や自信の成長にあわせて、柔軟にシフトしていくものです。そのサイトの中身が、現在のあなたと一致しているかを振り返ってみましょう。
| 削除していい状態 | 残すべき状態 |
|---|---|
| 過去に扱っていたサービスや、現在の専門分野とは全く異なるジャンル・内容である場合 今のあなたを知る人がそのサイトを見たときに、「一貫性がない」「何をやっている人なのかわからない」と、ブランディングの邪魔になっている | 更新されていなくても、そこに書かれている内容が、現在のあなたの「専門知識の証明」や「信頼性の裏付け」になっている |
基準3:今後管理するためのリソースを割けるか
WordPressで作ったサイトを安全に維持するためには、最低でも月に1~2回は管理画面にログインして、本体やプラグイン、テーマのアップデートを行う必要があります。また、PHPのバージョンアップにともなう表示くずれのチェックなども発生するので、その手間をかけられるかがカギになるでしょう。
- ここ数ヶ月はログインすらしていない
- アップデートの通知を見ても、面倒で後回しにしている
という状態の場合は、管理しきれていないサインになります。潔くサイトを手放すタイミングでしょう。
基準4:過去の実績(ポートフォリオ)として価値があるか
ブログやサイト自体から直接の集客はなくても、別の価値を発揮しているケースがあります。
| 削除していい状態 | 残すべき状態 |
|---|---|
| 過去の日記のような雑記ブログ、すでに終了したイベント・企画の特設サイトなど、これからの営業活動において見せる必要が一切ない場合 | 過去の「お客様の声」「政策実績」「対談・インタビュー」などが掲載されており、新規のお客様に営業資料(ポートフォリオ)の代わりとして機能している場合 |
基準5:毎年の維持コストに見合っているか
最後はコストパフォーマンス(費用対効果)です。
- そのサイトを維持するためだけに、個別のドメイン代やレンタルサーバー代を毎年払い続けている
- 上記に挙げた1~4のメリットが、その金額を上回っていない場合
は、削除を検討しましょう。
もし、他のメインサイトと同じマルチドメイン(1つのサーバー契約で、複数のサイトを動かす仕組み)を使っていて、追加のサーバー代がかかっていない場合でも、容量の圧迫や先述のセキュリティリスクを考慮すれば、不要なサイトは削除する方が健全でしょう。
WordPressで作ったサイトを削除するか迷ったときの代替案

上記で紹介した判断基準でチェックしてみて、「やっぱり、削除するのはもったいない」と感じたかもしれません。
その場合は、リスク、維持コスト、管理の手間を最小限に抑えつつ、大切なデータを守るのがおすすめです。以下の方法を選べば、貴重なリソースを守りながら、心理的なハードルをグッと下げられるでしょう。
代替案1:非公開設定にする
もっとも手軽な方法は、「非公開設定」です。
WordPressのプラグインを使えば、ワンクリックでサイト全体に「ただいまメンテナンス中です」という画面を表示させ、一般ユーザーがアクセスできないように設定ができます。記事データや設定はそのまま残るため、運用再開もしやすいでしょう。
ただし、WordPress自体はサーバー上で動き続けているため、本体やプラグインの定期的なセキュリティアップデートだけは引き続き対応が必要です。
代替案2:メインサイトへの引っ越し・統合をする
「サイト全体としては不要だけど、この記事はアクセスがあるから残したい」「渾身のノウハウ記事を捨てるのは惜しい」という場合におすすめなのが、現在メインで動かしているブログやサイトへの記事統合です。
残したい有益な記事だけをメインサイトへコピーし、元のページから新しいページへ自動的にユーザを転送する「301ダイレクト」という設定を行いましょう。過去にその記事が獲得していた評価を、そのままメインサイトへ引き継ぐことができます。
なお、記事の引っ越しとリダイレクト設定が終わったら、元のWordPressサイトは安全のために完全に削除(解約)しましょう。
代替案3:静的HTML化を検討する
「自分の過去の実績やポートフォリオとして、ネット上に形だけはずっと残しておきたい」という場合は、サイトの「静的HTML化」を検討しましょう。
WordPressは、アクセスされるたびにデータベース(システム)が動く動的な仕組みのため、セキュリティリスクやサーバーの負荷を発生します。これを、プラグイン等を使って「ただの画像とテキストだけの動かないページ(静的なページ)」に変換して保存し直す方法です。
これによりWordPress特有のハッキングリスクが完全にゼロになり、日々のプラグインのアップデートの手間からも解放されます。データ容量が軽くなり、格安サーバーや無料のサーバーに引っ越すことで、毎月の維持コストを極限に下げる、あるいは無料にすることもできるでしょう。
WordPressで作ったサイトを安全に削除するための手順

「サイトを完全に削除する」または「代替案に移る」と決めたら、実際の作業に取りかかりましょう。
ここでは、限られたリソースの中で、一人でも安全に作業を進めるための4つのステップをご紹介します。
まずは、サイト内のすべてのデータを手元のパソコンに保存しましょう。
現時点では二度と使わないと思っていても、数年後に新しいビジネスを始める際、過去に書いた文章、お客様の声、プロフィールテキストを再利用したくなるケースは非常に多いです。バックアップさえ手元にあれば、「あのサイトをもう一度復活させたい」となった場合でも、まったく同じ状態に復元しやすいです。
ネット上のさまざまな場所からリンク(動線)がつながっている場合、サイトの削除によって、それらのリンクをクリックした人は「ページが見つかりません(404エラー)」という画面が表示されてしまいます。これが原因で、あなたのビジネスの信用を損なうおそれがあります。
現在運用しているメインの公式アカウント、ブログ、各種SNSのプロフィール欄に、古いサイトのURLが残っていないかを確認してから、サイトの削除または変更をしましょう。
外部のつながりを整理したら、WordPress内部のデータを消去していきます。安全かつ確実に処理するため、まずはWordPressのダッシュボード(管理画面)から順を追って削除しましょう。
具体的には以下のとおりです。
コンテンツ削除の具体的な作業
- プラグインの無効化・削除
- 記事・固定ページの削除
- メディア(アップロードしている画像・PDF)の削除
この段階でサイト内をからっぽにしておくことで、この後のサーバー側の削除作業がスムーズになり、データ消し忘れの手落ちはなくなります。
最後は契約周りの作業です。具体的な作業は以下のとおりです。
サーバー・データベースの削除/ドメイン解約の具体的な作業
| データベース(MySOL)の削除 | レンタルサーバーの管理画面(コントロールパネル)にログインし、対象のWordpressを使ったサイトが使っていた「データベース」を削除します。 |
| サーバーファイル内の削除 | サーバー内のファイルマネージャーやFTPソフトを使い、WordPressがインストールされていたフォルダ(「public_html」などの配下にある該当フォルダ)を丸ごと削除します。 |
| ドメインの自動更新の停止 | 使っているドメイン取得サービス(お名前.comなど)の管理画面を開き、該当ドメインの自動更新をオフ(停止)にします。 ドメインは自動更新を確実に止めておけば、次回の更新月に自動的に解約され、それ以降の請求費用は発生しなくなります。 |
まとめ

使っていないWordPressで作ったサイトの放置にはリスクが伴うため、「5つの判断基準」をもとに早めに整理するのがおすすめです。完全に消去することに迷いがある場合は、「非公開」や「静的HTML化」といった代替案も検討できるでしょう。
サイトの整理は後ろ向きな作業ではなく、今もっとも大切な本業にお金、時間、集中力を集約させるための「前向きな選択」です。あなたのビジネスのリソースを最大限に活かすために、まずは現在のアクセス状況をチェックすることから始めてみませんか?
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