デスクの片隅に、いつの間にか領収書が山積みになっていませんか?処理しなければいけないと頭でわかっていても、その時間をなかなか作れなくて悩むケースは一人社長や個人事業主に多いです。
そこでこの記事では、最新の電子帳簿保存法に対応した保存期間の一覧表とともに、一人社長や個人事業主が守るべき実務上のポイントをわかりやすく整理しました。適切な手順を踏んで捨て、正しく残すための基準を知ることで、事務作業の不安を一掃しましょう。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
事務歴15年以上。2021年に独立、幅広い業種の一人社長や個人事業主のサポートをしています。「仕事のていねいさ」「相談しやすさ」に定評。
限られた時間の中で最大の成果を出す「効率化」を重視し、お客様が本来の業務に集中できるよう、心強いパートナーとして伴走します。
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会社書類の保存期間はどのくらい?【保存年数別一覧表】

書類管理で迷ったときは、「一律で10年」を基準に保管するのがおすすめです。
書類の保存期間は、「会社法(10年)」と「法人税法(7年)」の2階建て構造になっています。たとえば、領収書は税法上で7年とされていますが、会計帳簿など会社法で求められている書類は10年です。
そのため、書類の種類ごとに細かく管理するのが負担に感じるなら、「重要書類はすべて10年」という運用ルールを作るのがおすすめです。
会社書類の保存期間一覧表
| 保存期間 | 主な書類の種類 | 根拠法 |
| 永久 | 定款、登記書類関係、免許・許可証、社標、社印 | 実務上の必要性 |
| 10年 | 会計帳簿、決算書類、株主総会議事録、取締厄介会議事録 | 会社法 |
| 7年 | 領収書、小切手控え、預金通帳、請求書、納品書、棚卸表、給与明細書 | 法人税法・所得税法 |
| 5年 | 監査報告、特定の契約書、雇用保険の被保険者に関する書類、産業廃棄物管理票 | 会社法・各種労働法 |
| 3年 | 労働者名簿、賃金台帳、雇い入れ・解雇に関する書類、労災保険に関する書類 | 労働基準法 |
一人社長・個人事業主が注意すべき実務上の注意点

事業に必要な書類は、「ただ取っておけばいい」という単純作業ではありません。事務作業を自分一人で完結させる必要があるからこそ、効率的かつリスクを最小限に抑える実務上の知恵が求められます。
特に、以下の3点は後回しにすると修正が困難になるため、必ず押さえておきましょう。
その1:保存期間は「年度末」からカウントする
保存期間の起算点(カウントが始まる日)は、その年度の確定申告期限の翌日から7年です。領収書に記載された日付から7年ではないので、注意しましょう。
書類に記載されている日付だけで判断して早めに捨ててしまうと、税務調査で「保存義務違反」を指摘されるリスクがあります。
その2:電子データは髪で印刷しても保存義務は残る
2024年に施行された「電子帳簿保存法」により、メールやウェブサイトからダウンロードした請求書・領収書は、電子データのまま保存することが義務付けられています。以前のように、印刷してファイルに保管する運用は、現在認められていません。
「電子保存」と「紙保存」が混在すると管理が煩雑になるため、「紙でもらったものはスキャンして、すべてデジタルに集約する」というルール作りが効率的でしょう。
その3:欠損金(赤字)がある年は一律10年保存
税法上の書類保存期間は原則7年ですが、欠損金(赤字)が出て翌年以降に繰り越す場合は、保存期間が10年に延長されます。
「うちは小規模だから7年でいいだろう」と判断するのは危険です。不測の事態が起こる可能性も踏まえて、帳簿類は一律で「10年保管する」と決めてしまうのが、実務上もっともミスがない方法でしょう。
電子帳簿保存法で「捨てられる書類」「捨てられない書類」

電子帳簿保存法(電帳法)の「スキャナ保存制度」を利用すれば、紙の領収書や請求書をスマホやスキャナで読み取り、一定の要件(例:タイムスタンプの付与や解像度の確保など)を満たせば、原本を廃棄できるようになります。一方で、「電子取引」は、メールやウェブサイトからダウンロードした領収書データを「紙に印刷して保存すること」が原則として認められなくなったため、データのままで保存し続ける必要があります。
たとえば、外出先でもらった紙のタクシー代の領収書は、スマホで撮影して会計ソフトにアップロードすれば、その場で捨てられます。一方、Amazonで購入した備品の領収書(PDF)や、メール添付で届いた請求書は、印刷しても元データ(PDFなど)を検索できる状態で保存し続けなければなりません。
「捨てられる」「捨てられない」書類一覧
| 書類の受け取り形式 | 種類 | 原本の破棄 | 保存方法のルール |
| 紙で受け取った | 領収書、請求書、納品書、見積書 | 〇 | スキャナ保存の要件を満たしてデータ化すれば破棄OK |
| 自分で作成した(紙) | 請求書の控え、納品書の控え | 〇 | スキャナ保存、またはPCで作成した控えをデータのまま保存すれば破棄OK |
| データで受け取った | Amazon等の領収書PDF、メール添付の請求書、EDI取引 | × | データの保存が必要。紙に印刷しても、元データを消してはいけない |
| データで作成した | クラウド会計等で作った請求書データ | × | 送信したデータをそのままデジタル保存しなければならない |
会社書類の保存期間でよくある質問

一人社長や個人事業主の方が、会社書類の保存期間で迷いがちなことをQ&A形式でまとめました。判断にまよったときにご活用くださいませ。
- 廃業したら、書類は全部捨ててもいいですか?
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いいえ、廃業後も、規程の期間内は保存する義務があり、すぐに捨てていいわけではありません。
法人は清算後10年、個人なら廃業後7年は、税務調査に備えて自宅や倉庫に保管しておく必要があります。
- スキャンしてデータ化した後、原本はすぐに捨てていいのでしょうか?
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電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たしていれば、すぐ捨ててもOKです。
以前のような「定期検査後の廃棄」というルールは保存されました。ただし、画像が鮮明かどうかの確認は必ずしましょう。
- クレジットカードの利用明細があれば、領収書は捨ててもいいですか?
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領収書も必要です。クレジットカードの利用明細に支払先は載りますが、具体的な商品名は分かりません。詳細を確認できるように、レシートもあわせて保管しましょう。
まとめ

法律によって、書類ごとに保存期間は異なりますが、社長や個人事業主なら「原則10年」と決めて管理するのが、もっともシンプルで安全な方法でしょう。実務上の注意点を抑えることで、税務リスクも最小限に抑えられます。
紙の書類はスキャナを賢く活用して断捨離を進め、デジタルデータは適切な形式で保管します。まずは、上記に挙げた一覧表を参考に、手元の書類を「捨てる時期」ごとに仕分けることから始めてみてください。バックオフィス業務を効率化して、本業に集中できる環境を整えましょう。
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