2026年4月15日、神奈川県が県内の小規模事業者を対象に「小規模事業者デジタル化推進事業費補助金」の募集を開始しました。人手不足や設備不足で悩んでいる企業にとっては、DX化や生産性向上のために検討の余地があるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「小規模事業者デジタル化推進事業費補助金」の概要やスケジュール、よくある質問をまとめて解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
事務歴15年以上。2021年に独立、幅広い業種の一人社長や個人事業主のサポートをしています。「仕事のていねいさ」「相談しやすさ」に定評。
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神奈川県「小規模事業者デジタル化推進事業費補助金」とは?

「小規模事業者デジタル化推進事業費補助金」は、神奈川県内の小規模事業者を対象に、ITツールやシステムを導入して、業務効率化や人手不足解消を進めるための費用をサポートする補助金です。
本補助金の魅力は、「最大50万円(補助率3分の2」という、一人社長や個人事業主に見合った設計になっていることです。「IT導入補助金」など国の補助金と比べて申請のハードルが比較的低く、予算規模に対して採択率が高い傾向にあるため、限られたリソースで生産を上げたい小規模事業者にとって、非常に現実的な支援策となっています。
本補助金の概要をまとめると以下のとおりです。
小規模事業者デジタル化推進事業費補助金の概要
| 項目 | 内容 |
| 補助金名称 | 小規模事業者デジタル化推進事業費補助金 |
| 公募期間 | 2026年4月15日㈬ ~ 2026年9月30日㈬ |
| 補助金額上限 | 原則50万円 ホームページ作成やPC等のハードウェアは内訳上限10万円 |
| 補助率 | 3分の2以内 ※例)75万円のシステム導入で、50万円が補助 |
| 審査方式 | 先着順 予定に達し次第、期間内でも受付終了 |
| 公式ホームページ | https://www.pref.kanagawa.jp/docs/m2w/shokibo_digital/r8.html#kouboyouryou |
小規模事業者デジタル化推進事業費補助金の申請から完了までのスケジュール

本補助金は、申請すればすぐに購入できるわけではありません。特に、一人社長や個人事業主の方にとって、もっとも注意すべきなのは、「交付決定(事務局からのGOサイン)が出る前に契約・支払をしてしまうと、1円も補助金が出ないこと」です。
全体の流れとスケジュール感を正しく把握し、フライングによる不採択を防ぎましょう。
まずは、登録された相談機関に「事前相談」を行い、事業計画のアドバイスを受けます。相談後に発行される「相談シート」が申請に必須となります。
- 公益社団法人 神奈川県産業振興センター
- 神奈川県中小企業団体中央会
- 各商工会・商工会議所
- その他の相談機関
相談シート、事業計画書、確定申告書の控えなどの必要書類をそろえ、オンライン(電子申請システム)または郵送で事務局へ申請します。予算上限に達したら期間内でも受付終了となるため、9月末を待たずに動くのが鉄則でしょう。
提出した書類が審査され、問題がなければ事務局から「交付決定通知書」が届きます。システムの契約、購入、支払いを行えるのは、この通知が届いた後だけです。
交付決定通知書の受領後、計画していたITツールの契約、システム構築、パソコンなどの購入を行います。支払いは、原則として「事業者本人名義の銀行振込(またはクレジットカード)」で行い、領収書や振込明細などの証拠書類をすべて保管しておきます。
システムの導入と支払いがすべて完了したら、「事業が完了した日から30日以内」または「2027年(令和9年)2月5日」のいずれか早い日までに、実績報告書を提出します。導入したシステムの画面キャプチャ、領収書、見積書などの提出が必要です。
事務局が実績報告書を検査し、金額が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
小規模事業者デジタル化推進事業費補助金のよくある質問

本補助金の申請にあたって、迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
本補助金でいう「小規模事業者」の定義はどんなものでしょうか?自分が対象になるか知りたいです。
小規模事業者は、会社の資本金や売上高ではなく、一括して従業員(スタッフ)の人数で決まります。具体的には以下の通りです。
| 業種 | 小規模事業者の基準(従業員数) |
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他(建設業・運輸業などを含む) | 20人以下 |
※役員(一人社長本人)、個人事業主本人、同居の親族従業員(全十社)は、従業員数にカウントしません。
※パートやアルバイトであっても、会社役員に近い働き方でない限り、原則として「常時使用する従業員」に含まれる場合があります(雇用形態や勤務時間により異なる場合があります)。
創業したばかりでも申請することはできますか?
2024年(令和6年)4月1日までに創業していることが条件となるため、完全な新規創業の場合は対象外になります。
本補助金の対象者は、すでに神奈川県内で実体のある事業を営み、かつ確定申告の実績等がある小規模事業者です。比較的新しい会社・事業主であっても、上記の日付以前に創業・開業していれば申請できます。
昨年(令和7年度)や一昨年(令和6年度)にこの補助金をもらったのですが、今年も申請できますか?
残念ながら今年は申請できません。
本補助金は、原則「一事業者につき1回限り」の利用となっています。もし、過去に本補助金を受給している場合は、「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」など、別の補助制度の活用を検討しましょう。
パソコンやタブレットの購入費用も、最大50万円まで補助されますか?
パソコン、タブレットその他のマウスやディスプレイ等の補助上限額は10万円です。
全体の補助上限は50万円ですが、汎用性の高いハードウェア(パソコン・タブレット)やホームページ作成費用は、個別に「内訳上限10万円」と制限が設けられています。
郵送での申請と電子システムでの申請で、採択率に差はありますか?
審査基準そのものに差はありませんが、スピード面では電子申請がおすすめです。
本補助金は「先着順(予算上限に達したら終了)」です。郵送の場合、書類の到着や不備があった際のやり取りにタイムラグが発生し、その間に予算が尽きてしまうおそれがあります。
一人社長や個人事業主であればなおさら、手続きが迅速に進むオンライン申請(電子申請システム)を選択するのが現実的でしょう。
まとめ

神奈川県の「小規模事業者デジタル化推進事業費補助金」は、人手不足や日々の業務に追われがちな一人社長や個人事業主にとって、生産性を高め、売上アップにつなげる絶好のチャンスとなるでしょう。
ただし、申請には必須となる事前相談の予約や手続きが必要であったり、予算がなくなり次第終了してしまうため、早目の行動が必要になります。
まずは、応募条件を満たしているかを確認し、スケジュールに余裕を持って最寄りの商工会議所や商工会に相談してみましょう。本補助金を賢く活用してバックオフィスや営業活動をデジタル化し、業務に集中できるビジネス基盤を整えてくださいね。
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