2024年1月から完全義務化がスタートした「電子帳簿保存法」。重要性はわかっていても、日々の業務に追われて先延ばしをしている、一人社長や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、事務作業に時間をかけたくない方に向けて、最低限やっておきたいことと、業務のスキマ時間に取り組めるおすすめの保存ルールについて、わかりやすく解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
事務歴15年以上。2021年に独立、幅広い業種の一人社長や個人事業主のサポートをしています。「仕事のていねいさ」「相談しやすさ」に定評。
限られた時間の中で最大の成果を出す「効率化」を重視し、お客様が本来の業務に集中できるよう、心強いパートナーとして伴走します。
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電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法(電帳法)は、「仕事で使う領収書や請求書を、紙ではなくデジタルのまま保存することを認める(または義務付ける)法律」です。
これまでは、紙で7年間保管するのが鉄則でした。しかし、社会全体のデジタル化を背景に、データの取り扱いについて明確な基準が設けられました。
特に注意すべきは、メールやネットショップ経由で受け取った「デジタル形式の領収書」を、わざわざ紙に印刷して保管する運用が原則認められなくなった点です。万が一、不適切な状態で放置してしまうと、税務調査の際に経費として認められないといった不利益を被るリスクがあるため、すべての事業主が正しく理解しておく必要があります。
具体的には、以下のようなケースが対象になります。
| 電子取引(義務) | クラウドツールの月額費用やスマホ決済の利用明細などは、かならずデータのまま保存する必要があります。 |
| スキャナ保存(任意) | 紙でもらった領収書をスマホで保存して、データとして保存すること。これは、やりたい人だけでOKです。 |
| 電子帳簿(任意) | 会計ソフトで作った帳簿を、紙に印刷せずデータのまま保存すること。 |
一人社長・個人事業主が取るべき2つのこと

一人社長や個人事業主の場合、電子帳簿保存法をすべて完璧に理解するのは大変です。
まずは、税務調査対策として最低限クリアしておきたい「2つのポイント」を確実に押さえましょう。
その1:電子取引のデータを専用フォルダに分ける
まずは、メール添付のPDFやAmazon・楽天の購入履歴、Zoomなどの月額利用明細といった「最初からデジタルで届くもの」の扱いです。これらを紙に出して保存するのは今日から卒業しましょう。
そのうえで、
- PCやクラウドストレージに、領収書専用のフォルダを作り、データを集約する
- 検索できるように、ファイル名を「日付_金額_取引先」に変更して保存する
を徹底するようにします。
その2:事務処理規程を1枚プリントアウトして備える
法律上、データの検索機能を備える必要がありますが、一人ですべての作業をこなすのは大変です。そこで活用したいのが「事務処理規程」です。
これは「わが社ではこのようなルールでデータを管理します」と宣言する書類で、国税庁のサイトにあるテンプレートに名前を記入し、1枚プリントしておくだけでOKです。これがあることで、厳格なシステムを導入しなくても、簡易的な管理方法で法的な要件を補完できるようになります。
一人社長・個人事業主におすすめの保存ルール

法律に遵守するにしても、大事なのは「業務のついででもできる現実的な保存ルールを作ること」です。ここでは、もっとも低コストで、後から見返しても困らない方法をご提案します。
その1:保存箇所を1箇所に決める
まずは、電子帳簿保存法で定められている通り、保存箇所を1箇所に決めて、データを集約しましょう。パソコンが故障するリスクがあるため、Googleドライブ、Dropbox、One Driveなどのクラウドストレージを使うのがおすすめです。
フォルダは、「2026年」→「1月」というように月別に分けておくと、後から探しやすいです。
その2:ファイル名の付け方を「型」にはめる
電子帳簿保存法では、「日付」「金額」「取引先」の3つで検索できるようにしておくことを求めています。もっともシンプルな解決策は、データ名にこれらを含めることです。
このルールで保存しておけば、フォルダ内の検索窓に検索したい情報を入力すれば、瞬時に該当の領収書を探せるでしょう。これがそのまま法律の要件を満たす「検索機能」になります。
その3:受領したその場ですぐに保存する
「後でまとめてやろう」は、決算時期や確定申告前に泣きを見ることになります。できるだけ清算が終わったらすぐに対応するように心がけましょう。
すぐに対応するのが難しい場合でも、週1回、月1回とルーティンワークにしておくと、対応のヌケモレが予防できるのでおすすめです。
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電子帳簿保存法のよくある質問


電子帳簿保存法を理解していくと、今度は「これはどうなの?」という実務的な疑問が湧いてくるものです。
ここでは、一人社長や個人事業主が運営するうえで迷うポイントをまとめます。参考にしてくださいね。
スマホで撮ったスクショは、領収書の代わりになりますか?
領収書代わりになります。
スマホ決済の完了画面や、アプリ上の利用明細をスクリーンショットしたものは、電子取引のデータとして認められます。PDF形式の領収書が発行されない場合は、スクショを保存しておきましょう。
クレジットカードの利用明細があれば、領収書は捨ててもいいですか?
領収書または請求書そのものを保存しましょう。
クレジットカードの利用明細には、購入した具体的な内容が記載されて居ないことが多く、税務調査では不十分と見なされやすいです。データで届いた領収書はデータで、紙でもらったものは紙のまま保管してください。
正しく保存できていなかった場合、罰金などのペナルティはありますか?
ペナルティは状況次第ですが、リスクはあります。
悪質な隠蔽や開山と見なされた場合、重加算税の対象となりますが、通常の範囲内でのミスであれば、まずは税務署から改善指導を受けるのが一般的です。
ただし、データがまったく残っていない場合は「経費」として認められず、支払う税金が増えるかもしれません。最低限の保存は習慣化しておきたいですね。
まとめ


一人社長や個人事業主が行うべき電子帳簿保存法の対策は、「デジタルで届いた領収書を、適切にデータとして保存すること」です。まずは事務処理規程を作成し、専用フォルダに「日付・金額・取引先」を入れたファイル名で保存する仕組みを作ることから始めましょう。
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