業務量が増えて手が回らなくなると、事務作業の外注を検討する方もいるでしょう。しかしその過程で、「事務代行を利用してみたいけれど、何を頼めばいいのかわからない」と悩むケースは多いです。
そこでこの記事では、事務代行に依頼できる具体的な業務例から、初めて利用する際に依頼する業務の選び方、依頼内容を整理する手順、注意点までを解説します。

小島 美和(佐藤 みなと)
合同会社あすだち 代表
事務歴15年以上。2021年に独立、幅広い業種の一人社長や個人事業主のサポートをしています。「仕事のていねいさ」「相談しやすさ」に定評。
限られた時間の中で最大の成果を出す「効率化」を重視し、お客様が本来の業務に集中できるよう、心強いパートナーとして伴走します。
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事務代行に何を頼める?

一人社長や個人事業主の場合、自身が対応している事務作業を外注することで、本業や営業活動に使える時間を確保しやすくなります。でも、「どんな業務を依頼してもいいの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
依頼できる業務は事務代行サービスによって異なりますが、主に以下のような仕事が頼めます。
その1:一般事務・データ入力
一般事務は、日常的に発生する書類作成やデータ整理などの業務です。
専門的な判断を必要としない定型作業も多く、初めて事務代行を利用する場合にも検討しやすい分野といえます。
具体的には、以下のような業務が挙げられます。
- ExcelやGoogleスプレッドシートへのデータ入力
- 顧客情報や名簿の整理・更新
- WordやGoogleドキュメントを使った資料作成
- 書類やデータの整理・管理
- インターネットを使った情報収集・リスト作成
たとえば、名刺交換した相手の情報を顧客リストに登録したり、毎月の売上データを指定の書式にまとめたりする作業が検討できるでしょう。作業内容や入力項目を明確にしておくことで、継続的に依頼しやすくなります。
その2:経理・請求書関連の業務
次に経理に関する事務作業です。特に、請求書の発行や領収書の整理などは毎月繰り返し発生するため、外注を検討しやすい業務と言えるでしょう。
具体的には、以下のような業務が挙げられます。
- 請求書・見積書の作成
- 請求書の送付・管理
- 領収書や経費精算書類の整理
- 会計ソフトへのデータ入力
- 入金状況の確認・一覧表の更新
たとえば、請求金額や取引内容を経営者が確定し、その情報をもとに事務代行が請求書を作成・送付する方法があります。
その3:メール対応・スケジュール調整
一人社長や個人事業主は、顧客対応から営業活動まで幅広い業務を担当するため、細やかな業務が負担になることもあります。取引先との日程調整や定型的なメール対応も、事務代行に任せられる業務です。
具体的には、以下のような業務を依頼できます。
- 問い合わせメールの一次対応
- 定型メールの作成・送信
- 取引先との日程調整
- Googleカレンダーなどへの予定登録
- 打ち合わせ前のリマインド連絡
たとえば、商談の日程調整を事務代行に任せ、商談そのものは自分が担当するという役割分担が検討できるでしょう。
その4:Webサイト・SNS運用の補助業務
WebサイトやSNS運用に関連する補助業務にも対応できることが多いです。更新作業を外注することで、業務負担を軽減できます。
具体的には、以下のような業務が挙げられます。
- WordPressへのブログ記事の入稿
- 記事の装飾や画像の挿入
- SNS投稿の予約設定
- 投稿用画像の作成補助
- Webサイトの情報更新
たとえば、ブログ記事の内容は経営者が考え、WordPressへの入稿や装飾を事務代行に任せる方法があります。
ただし、Web関連業務の対応範囲には個人差があるため、希望する業務に対応してもらえるか、事前に確認しましょう。
初めて事務代行を利用するなら何から頼む?

初めて事務代行を利用する場合は、「毎月繰り返し発生する業務」や「作業手順が決まっている業務」から依頼するのがおすすめです。
最初から多くの業務を任せると、業務の説明や進捗管理に時間がかかり、かえって負担が増えてしまう可能性が高いです。まずは一部の業務から依頼し、仕事の進め方やコミュニケーションに問題がないか確認しながら、必要に応じて依頼範囲を広げるのがおすすめです。
その1:毎月繰り返し発生する業務
毎月決まったタイミングで発生する業務は、依頼しやすいです。一度作業の流れやルールを共有すれば、次回以降も同じ手順で進めやすいです。
たとえば、以下のような業務が挙げられます。
- 毎月の請求書作成・送付
- 領収書や経理関連書類の整理
- 売上データの入力・集計
- 顧客情報や管理表の更新
- 定期的な資料作成
特に、毎月テンプレートを使って作成できる請求書や管理表などは、作業内容を整理しやすいです。
その2:時間がかかっている事務作業
日常的に時間を取られている事務作業も、優先的に外注を検討できる業務です。
ひとつひとつは短時間で終わる作業でも、積み重なると負担は大きいです。本業や営業活動の時間を確保するのにおすすめです。
たとえば、以下のような業務が考えられます。
- 大量のデータ入力や転記
- 顧客リストの作成・整理
- インターネットでの情報収集
- メールの仕分けや定型的な返信
- 書類の整理やファイル管理
ただし、時間がかかる仕事をすべて外注すればいいわけではありません。依頼内容の説明や確認にも時間が必要なため、外注することで自分の負担を減らせるかを考えて依頼するのがおすすめです。
その3:作業手順が決まっている業務
作業の進め方が明確になっている場合は、担当者が変わっても一定の品質を維持しやすくなります。認識違いや作業ミスを減らしやすくなるため、依頼のハードルが低くなります。
たとえば、以下のような業務が挙げられます。
- 指定されたフォーマットへのデータ入力
- テンプレートを使ったメール送信
- 決められた手順でのWordPressへの記事入稿
- Googleカレンダーに予定登録
- 指定されたルールに沿ったファイル整理
マニュアルがある場合は、共有するとスムーズです。マニュアルがない場合でも、実際の作業画面を見せたり、手順を簡単に書き出したりすることで、引き継ぎできます。
事務代行に依頼する仕事を整理する手順

事務代行に依頼する際は、事前に依頼したい業務内容を整理しましょう。
業務があいまいなまま依頼すると、作業範囲について認識の違いが生じたり、想定以上に費用がかかる可能性があります。どのように頼めばいいか悩む場合は、以下の手順で整理してみてくださいね。
現在の事務作業をすべて書き出す
まずは、日常的に行っている事務作業を洗い出しましょう。
毎日行う業務だけでなく、週1回、月1回など、定期的に発生する業務も書き出します。業務を書き出す際は、業務内容に加えて、発生頻度や所要時間も記録しておくと、依頼するかどうかの検討・判断がしやすくなります。
自分で行う業務と外注できる業務に分ける
次に、書き出した業務を「自分で行う業務」と「事務代行に任せられる仕事」に分類します。判断のポイントは「経営者自身の判断や専門的な資格が必要かどうか」です。
たとえば、取引先との契約条件の決定や経営方針の判断は、自分で対応する必要があるでしょう。一方、決定した内容に基づく書類作成やデータ入力などは、事務代行に任せられる可能性があります。
業務を丸ごと外注できない場合でも、一部の業務だけを切り分けて依頼する方法があります。請求書発行であれば、請求内容や金額の確定は自分で行い、請求書の作成・送付を事務代行に任せるといった役割分担が検討できるでしょう。
依頼する業務の内容と頻度を整理する
最後に、外注候補となった仕事について、具体的な依頼内容と発生頻度を整理します。
事務代行サービスに相談する際は、以下の情報をまとめておくとスムーズです。
- 依頼したい業務の内容
- 作業が発生する頻度
- 1回あたりの作業量や作業時間
- 希望納期
- 使用するツールやソフト
- 自分で対応する範囲と任せたい範囲
最初からすべての業務内容を決める必要はありません。自分で整理しきれない場合は、現在困っていることや負担に感じている作業を伝え、依頼範囲を相談することもアリです。
まずは業務を書き出し、自分で行う業務と任せられる業務を分けることから始めましょう。
事務代行に仕事を頼むときの注意点

事務代行を利用する際は、依頼できる業務の範囲や料金、情報共有の方法などを事前に確認しておくことが大切です。依頼内容が曖昧なまま契約すると、想定していた仕事を任せられなかったり、追加料金が発生したりする可能性があります。
安心して業務を任せるためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
注意点1:依頼できない業務があることを理解する
事務代行の担当者によってスキルや経験に差があるため、依頼したい業務すべてに対応してもらえるとは限りません。
また、法律で専門資格が必要と定められている業務は、一般的な事務代行サービスでは対応できません。
依頼予定の業務が対応範囲に含まれているか、契約前に確認しておきましょう。
注意点2:依頼範囲・納期・費用を事前に確認する
事務代行を利用する際は、どこまでの業務を任せるのかを具体的に決めておくことが重要です。
たとえば、請求書作成を依頼する場合でも、書類作成だけなのか、メールでの送付や入金状況の確認まで含まれるのかによって、作業範囲が変わります。
契約前には以下の項目を確認しましょう。
- 依頼できる業務の範囲
- 作業の納期や対応可能な時間帯
- 月額料金や時間単価などの料金体系
- 契約時間を超えた場合の追加料金
- 業務内容の変更や追加依頼の条件
特に、毎月の作業量が変動する一人社長や個人事業主は、契約時間を使い切れなかった場合や、予定より作業が増えた場合の扱いも確認しておくと安心です。
注意点3:情報共有や確認方法を決めておく
事務代行に仕事を任せる場合は、業務に必要な情報を適切に共有し、作業の進捗を確認できる環境を整えておきましょう。
事前に確認しておきたいのは、以下のような項目です。
- 業務連絡に使用するツール
- ファイルや資料の共有方法
- 作業の進捗報告を受ける頻度
- 不明点やトラブルが発生した場合の連絡方法
- 個人情報や機密情報の取り扱いルール
たとえば、Googleドライブなどで資料を共有する場合は、必要なファイルだけにアクセスできるよう権限を設定する方法があります。
また、重要な業務については、納品物の確認や承認を経て完了とするなど、確認手順を決めておくとよいでしょう。
事務代行に何を頼むか迷ったときのよくある質問

初めて事務代行を利用する場合、依頼する業務の量や準備するものなど、何から手を付ければいいか分からなくなることもありますよね。
ここでは、事務代行への依頼を検討している一人社長や個人事業主から想定される質問を3つ紹介します。
少量の事務作業でも依頼できますか?
少量の事務作業でも依頼できる場合があります。
事務代行サービスによっては、短時間の作業や単発の依頼に対応しているところもあります。ただし、最低契約時間や月額料金が設定されているサービスもあるため、少量の業務でも依頼できるか事前に確認しましょう。
作業マニュアルがなくても依頼できますか?
マニュアルがなくても依頼できる場合があります。
事務代行サービスによっては、ヒアリングを通じて業務内容を整理したり、作業手順の作成をサポートしたりするところもあります。
ただし、業務内容や作業の進め方を説明する必要はあります。マニュアルがない場合は、現在の作業方法や困っていることを伝え、どこまでサポートしてもらえるか相談してみましょう。
複数の業務をまとめて依頼できますか?
複数の業務をまとめて依頼できるサービスもあります。
ただし、対応できる業務の種類や契約条件は、事務代行サービスによって異なります。初めて利用する場合は、優先度の高い業務から依頼し、仕事の進め方を確認しながら依頼範囲を広げていくとよいでしょう。
まとめ

事務代行には、請求書作成やデータ入力、メール対応、スケジュール調整など、さまざまな業務を依頼できます。
初めて利用する場合は、毎月繰り返し発生する業務や時間がかかっている作業など、負担の大きい仕事から依頼を検討するとよいでしょう。
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